去る、2009年11月28日(土)、日仏会館ホールにおいて、2009年度フランス語コンクール決勝大会が開催されました。決勝大会には、予選を潜り抜けた15名が進出、そのうち7名が入賞いたしました。

写真: 決勝大会進出15名、前列7名が入賞者
前列中央: 最優秀賞受賞 小坂知大さん
最優秀賞
小坂知大(こさか・ともひろ、会社員)「大西洋の彼方に」
優秀賞
保科早紀(ほしな・さき、滝高校1年)「バカンス万歳 !」
優良賞:ル・コルドン・ブルー賞
土屋元美(つちや・もとみ、日本大学歯学部学生)「フランスの農業-伝統・活力・多様性」
優良賞:バカラ賞
武井優美子(たけい・ゆみこ、会社員)「フランスの魅力」
優良賞:日本ロレアル賞
宮原 萌(みやはら・もえ、早稲田大学国際教養学部学生)「日曜日には何をしよう?」
審査員賞
飯田賢穂(いいだ・よしほ、東京大学大学院学生)「フランスの魅力-フランス思想」
フランス大使館特別賞
伊藤景子(いとう・けいこ、慶応義塾大学総合政策学部学生)「食べることは自分をつくること」
2009年度フランス語コンクール 講評
フランス語コンクール実行委員長、日仏会館副理事長
鈴木 康司
2008年に日仏修交150周年を記念して、財団法人日仏会館がコンクールを催しましたのは、日仏学術・文化交流を目的とする会館として、フランス語教育の振興、普及を側面から支援するためであり、さらに、文化の多様性を重視して複眼的思考を養成することの必要性をアッピールするためでもありました。
今年度も引き続き、第二回目として同コンクールを、フランス大使館、東京日仏学院、朝日新聞社、フランス語教育振興協会、エールフランス航空、日本ロレアル、バカラ・パシフィック、ル・コルドン・ブルー・パリ、パリの語学学校ACCORD、アンジェの語学学校CIDEF等の後援、協力を得て行いました。
テーマは『フランスの魅力(フランス語圏の国を含む)』です。昨年に比べて応募者数は多少減少しましたが、レベルはむしろ上がり、決勝に進んだ15名の人々の内訳は、高校生2名、大学生10名、社会人3名でした。いずれも見事な発表で、甲乙つけがたいものがありました。態度も自然体、技巧派、いろいろありましたが、大切なのは自分の文章をどれほど説得的に訴えかけるか、また、審査員の質問をよく理解した上で、どんなに率直に答えられるかで、受賞者と惜しくも受賞を逸した人との差がついたと言えましょう。
受賞者は、上で示されたように、社会人2名、高校生1名、大学生4名で、応募資格を大学生に限らない当コンクールの特色が出ていたと思います。
『大西洋のかなたに』で最優秀賞を獲得した小坂知大氏は2年前にカナダのケベック州に滞在した経験を踏まえ、かつて交換留学生として赴いたベルギーやフランスと比較してケベックの魅力を言語の面から捉え、十七世紀フランス語を綿々と伝えながらも現代に生きるフランス系カナダ人たちの姿を語って聴衆に感銘を与えました。
優秀賞の保科さんは高校一年生、『ヴァカンス万歳』という若者らしい題材で、数年来夏のヴァカンスをフランスでフランス人たちと過ごすうちに、この習慣が人生でよりよく生きてゆくためにどれほど大切かを理解したという率直な感想を述べてくれました。
優良賞の土屋、武井、宮原のお三方もそれぞれ、農業国フランスの魅力、自動車部品メーカーの仕事でリヨンのフランス子会社に滞在した時のフランス人たちとの交流を通じて学んだこと、フランス人の日曜日の過ごし方を通じてフランス文化へのアプローチを学んだ等々、個性的で面白く、聴衆に好感を与えてくれました。
また、審査員賞の飯田氏はフランスが誇るモンテーニュ、ラ・ロシュフーコー、パスカルなどの思想家、モラリストを通じてフランスの魅力を語り、仏大使館特別賞の伊藤さんは食の問題を通じてフランス人のように食と誠実に向き合うことの必要性を説きました。
決勝進出者の皆さん銘々の差は本当に僅かです。平常心を保っていればおそらくもっと上手に発表できたのだろう、惜しいなと思わせる方々もおられました。
ですから、フランスに行ける上位2名の受賞者を除き、他の方は来年以降も充分チャンスがありますので、大いにフランス語を磨いてまたトライしてもらいたいと、我々は考えております。
老婆心までに申せば、持ち時間と自分の発表内容量とのバランスを考えて、ゆっくり明瞭に発音しても充分に持ち時間内に終わるような配慮を心がけてもらえるとよいと思います。
最後に、昨年も、今年も、会場に来ていただいた観衆のかたがたが、心のこもった声援を全ての発表者に送ってくださり、暖かい雰囲気が会場全体に漂っていたことに、感謝いたします。今後、このコンクールが存続するためにも、このような皆さんの支えが何よりも有難いご支持となります。どうぞよろしくお願いいたします。