「教養講座を受講して」
作者: 矢成伸子   
2011年 2月 23日(水曜日) 18:10

M. Sakamoto Takuji, un de nos membres, nous rapporte ces quelques lignes après avoir participé aux "cycles des 4 conférences" sur des thématiques bien précises assurés par les plus grands spécialistes du sujet.

 昨年5月に行なわれた日仏会館主催の教養講座にご参加いただきました、会員の坂本卓二様が文章をお寄せくださいましたので、ご紹介させていただきます。(日仏会館事務局)

 

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「教養講座を受講して」

 

日仏会館 会員

   坂本 卓二

 

これまで教養講座は13回あり、私はそのうち6講座を受講した。どの講座も先生方が専門分野を体験をまじえて分りやすくお話し下さり、とても充実した至福の時間であった。

4回連続であったこともあり、貴重な写真や資料、書籍など手に取って拝見したり、詳しい文献表をいただいたり、質問もできて、私の知的好奇心を刺激するよい機会であった。

 

「フランス革命を生きた男たち」(2006年春)で遅塚忠躬先生は、『ラ・ロシュフコーの箴言に《人間一般を知ることは、一人の人間を知るよりもたやすい》というのがあります。長らくフランス革命を論じてきた私は、これをもじって、革命を論じるよりも、革命を生きた人間を語る方が楽しい、という気分になっております』と、ロベスピエールの生涯を通してフランス革命の概略と、革命が終った時、革命家たちがどんな運命をたどったかを紹介された。

私は『ユマニストという言葉は16世紀からずっとあったが、ユマニスムという言葉は19世紀まで使われることはなかった』ときいていたが、人間がある時代にどのように生きたか具体的にふれ、思想の本質に迫る方法は歴史的にも自然と思うようになった。

遅塚忠躬氏  講義風景(2006年5月) 

 

「20世紀フランス小説の流れ」(2006年秋)で岩崎力先生は、『一つの単語にはいくつもの意味、言外にある意味があり、言葉の響きと語りかけが大事。思考は複雑な曲線をえがきながら交叉しているので、一日の生活のなかで小説に断片的に出てくる主人公のゆれ動く記憶や思考を読者が読み続けていくときに、全体の中で主人公がどんな人間かイマジュとしてわかってくる』と小説の読み方を教示された。

これに触発され、今私は、人間の内面的変化、特に老いと死の接近を読み解こうと、視力が弱って1日数頁しか進まないが、プルースト「失われた時を求めて」に再挑戦している。

 

また、多くの講座で、日仏両方の視点から文学、思想、哲学、法律、社会構造、科学技術などの交流の歴史を調べ、両国の文化の受容変容のかたちを比較考察することを学んだ。

フランス伝統の合理主義と普遍主義が過度に肥大すると、反動として野性的な個人の創造力が働き、非合理や特殊個別が生ずるが、そこで創出された個々の個体は同じ目的に向かうのではなく、それぞれ独立して共存する、《多元性のなかの統一》というフランス流文化の在り様、それを構想した奔放な人物の生き様を、教養講座の贈物として私の財産にしたい。

 

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教養講座とは?

日仏会館事務局

 

 日仏会館では年に2回(5月頃と11月頃の平日昼間)、教養講座を開講しています。

 テーマに添った1時間30分の講義を週に1回、4週連続で受講していただくものですが、講師には日仏会館ならではの一流の研究者の方々をお迎えしており、貴重な機会となっています。

 また、講義は20人程度の少人数で行いますので、和やかな雰囲気の中、講師への質問なども気軽に行われています。

 皆さんも是非、参加なさってみませんか。

 

【過去の講座・講師一覧】

時期

回数

講座名

講師名

2004年11

第1回

ヴォルテールとルソー  -二つの自由について-

小林 善彦

2005年4

第2回

モリエールとその代表作について

鈴木 康司

2006年1

第3回

デモクラシーとしてのフランス  -戦後日本史と自分史とに重ね合わせて-

樋口 陽一

2006年5

第4回

フランス革命を生きた男たち

遅塚 忠躬

2006年11

第5回

20世紀フランス小説の流れ

岩崎 力

2007年5

第6回

黎明期から戦後までの日仏交流  -技術交流を中心に-

西堀 昭

2008年2

第7回

戦後日本におけるフランス文学の受容

菅野 昭正

2008年5

第8回

「フランスに魅せられた日本人」と「日本に魅せられたフランス人」  -日仏交流150年に寄せて-

川田 順造

2008年11

第9回

上海をめぐる三つの小説を読む  -横光利一『上海』(1932)、アンドレ・マルロー、『人間の条件』(1933)、茅盾『子夜』(1933)-

渡邊 一民

2009年6

第10回

サロンと会話  -アンシャン・レジームの言語文化-

井村 順一

2009年11

第11回

プルーストの世界

鈴木 道彦

2010年5

第12回

フランスの詩における近代

安藤 元雄

2010年11

第13回

ラ・フォンテーヌを読む

朝比奈 誼

 

 

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