共催イベント 講演会・トーク

(共催)二千年ぶりに解読されたブッダの意識生成分析 : 仏教と人類にとってのその重要性

【講師】 入澤崇(龍谷大学学長)、中谷英明(東京外国語大学名誉教授・龍谷大学特別顧問)、村井俊哉(京都大学)、マルク=アンリ・デロッシュ(京都大学総合生存学館)
【司会】小関武史(一橋大学)

“イベント詳細”

2024-03-23(土) 15:00 - 18:30
会場 501号室・オンライン
定員 45
参加費 無料
問い合わせ kumagai.seiji.3m*kyoto-u.ac.jp  (*を@に変えてください)
参加登録 必要

https://forms.gle/EqK5X8TYVZRqvFFr9

言語 日本語
主催 日仏東洋学会
共催 (公財)日仏会館、龍谷大学、 科研費基盤研究(B)23H00566

近年、パーリ仏典の一詩篇、『八群品』(はちぐんぼん)が最古の仏典と判明した。その推定根拠は韻律、語形、詩節配列法などの外部指標と、内部指標すなわち思想、語意である。両指標は一致して『八群品』が他の原始仏典と比較的に遠く、ヴェーダ聖典に近いことを示す。

今回は、『八群品』の意識分析表を紹介する。それは行為に至るまでの意識の展開を5位相と(顕在・潜在の)2様態に分かって記述する。ブッダは「この五位相表によって自省し、自覚しない利己心に気付いてそれを払拭しつつ生きよ」と言う。そして五位相表を用いて行うこの気づきと払拭をニッバーナ(消尽、後代に言う涅槃)と呼ぶ。

紀元前1世紀頃の古注がこの五位相表を誤って注釈した結果、それは今日まで2千年間見失われてきた。しかし正確に読めば、現代の脳科学者を驚かせる精緻な意識分析だったのである。

今回の講演会では、ブッダの哲学の中枢であるこの意識分析を紹介し、再発見されたブッダの哲学が現代世界に開く可能性について考察する。

 

プログラム 
講演(1)中谷英明「ブッダの意識生成分析とその哲学」

ブッダの五位相二様態意識論の再発見とその哲学的意味を考える。

 
講演(2)村井俊哉「ブッダの考えた「意識」について:現代の精神医学・脳科学の立ち位置から」
最古の仏典『八群品』において「意識」についての体系だった見解が提唱されていることには驚嘆するばかりである。精神医学・脳科学の立場からブッダの「意識論」を考察する


講演(3)マルク=アンリ・デロッシュ「ブッダの智慧とマインドフルネス」

ブッダの五位相観に基づくニッバーナをチベット仏教のマインドフルネスと比較する。

 
講演(4)入澤崇「ブッダ哲学に基づく社会変革の可能性」

社会課題の解決には絶えざる自己刷新を目指すブッダ哲学は有力なヒントとなる。社会変革を担う大学生の取り組みの一端を紹介し、世界仏教コンソーシアムの構想を提示したい。

 

 

プロフィール

司会 小関武史

一橋大学言語社会研究科教授。京都大学文学部卒業、同文学研究科フランス語学フランス文学修士課程修了(修士(文学))、パリ・ソルボンヌ(第四)大学専門研究課程修了。研究分野は18世紀フランス文学・思想史。『百科全書』の研究を中心に据えている。

 

 

入澤崇 
龍谷大学学長。同大学教授、龍谷ミュージアム館長を経て現職。専門はインド、アフガニスタン(バーミヤーン)、トルクメニスタン、イラン、中国(ベゼクリク石窟等)などアジア各地の仏教遺跡の調査や壁画復元を通して各地に生きた仏教の在り方を確かめること。深刻な社会課題の解決に向けて、絶えざる自己刷新を目指すブッダ哲学は有力なヒントとなると考え、社会変革を担う大学生の取り組みを後押しし、また世界仏教コンソーシアムを構想している。

 

 

 

中谷英明
龍谷大学学術特別顧問。東京外大(AA研)名誉教授。日仏東洋学会会長。専門はインド仏教学・古典学。パリ大学Ph.D.(インド学)。CNRS外国人研究員、ストラスブール大学准教授(南アジア学科長)、文部省統計数理研究所客員教授、Maison des Sciences de l’Homme(MSH, Paris)招聘教授、AA研教授等を経て現職。文部省特定領域研究「古典学の再構築」領域代表、AA研-MSH共同研究「総合人間学Science généralisée de l'homme」研究代表を務めた。著書に『ブッダの認識論、あるいはこころの可能性について』龍谷大学2014、Udānavarga de Subaśi. Collège de France, Publication de l'Institut de Civilisation Indienne, Fascicules 53 et 54, Paris, 1987. など。

 

 


村井俊哉
マックス・プランク認知神経科学研究所などを経て京都大学医学研究科精神医学教室教授。著書に『統合失調症』岩波新書2019、『はじめての精神医学』ちくまプリマー新書 2021、など。神経画像、精神病理学、神経心理学、児童精神医学などの研究グループの相互作用から、高い診療実績と研究成果をうみだすことに取り組んでいる。

 

 


マルク=アンリ・デロッシュ 
京都大学大学院総合生存館准教授。日仏東洋学会評議員。専門はチベット仏教文献のマインドフルネス研究。ボルドー大卒(社会人類学)。Diploma INALCO(Paris, チベット語・文明)、 École Pratique des Hautes Études, Ph.D.(Paris, アジア宗教学) 、京都大学大学院仏教学科(文科省給費留学生)、京都大学白眉センター准教授を経て現職。


 

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