講座・セミナー

若手研究者セミナー(日仏文化講演シリーズ第360回)

【講師】見瀬悠(大阪大学)、平賀裕貴(立教大学)、田中美里(東京理科大学)
【司会】伊達聖伸(東京大学)

“イベント詳細”

2022-07-23(土) 14:00 - 18:00
会場 オンライン(en ligne)
参加費 無料
言語 日本語
主催 (公財)日仏会館

都合により、本セミナーはオンライン(Zoom)開催に変更いたします。

参加方法については、下記の【参加方法】の欄をご覧ください。

 

※お申し込み方法についてはこちらのページをご参照ください。

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人文社会系のフランス研究にかかわる若手研究者3名の講演を中心とするセミナーです。分野横断型の相互啓発セミナーとして、夏恒例の行事となりました。講師役を務める3人には、これまで進めてきた専門的な研究に基づきながら、その成果や現在の関心のありかを、専門分野を異にする研究者・大学院生・学部生・一般聴衆などにも、よく理解できるように語っていただきます。同世代の若手研究者どうしの親睦を図る機会でもあります。今回は、歴史学、哲学、憲法学から1名ずつ登壇します。どうぞふるってご参加ください。

 

 

【プログラム】

14:00 開会 伊達聖伸


14:10 見瀬 悠 「歓待と差別―アンシャン・レジーム期フランスにおける外国人の処遇をめぐる言説―」


15:20 休憩


15:30 平賀裕貴 「ベルクソンにおける神秘主義の射程」


16:40 休憩


16:50 田中美里 「フランス公法における『公序』と諸個人の自由」

 

18:00 閉会

 

 

【プロフィール・発表要旨】

見瀬 悠(みせ・はるか)

フランス・パリ=エスト大学大学院「文化と社会」博士課程修了(博士/歴史学)。現在、大阪大学大学院人文学研究科専任講師。専門は近世フランス史。論文に「18世紀フランスにおける外国人遺産取得権―パリ・サン=ジェルマン=デ=プレ地区の事例から―」(『史学雑誌』127編9号、2018年)、「近世フランス植民地における外国人の法的地位―アンティル諸島への外国人遺産取得権の導入から廃止まで―」(『歴史学研究』993号、2020年)等がある。

 

「歓待と差別―アンシャン・レジーム期フランスにおける外国人の処遇をめぐる言説―」

現代フランスは移民大国として知られ、毎年多くの移民、難民、外国人を受入れている。実はこうした「歓待の国」としてのフランスの表象はアンシャン・レジーム期(16~18世紀)にさかのぼる。本報告では、外国人の財産相続の自由に関する法学者や哲学者の記述を検討することで、16世紀のフランス王国で外国人の法的な差別と「好意的」な受け入れが矛盾せずに両立していたことと、それが17世紀以降自然法思想や啓蒙哲学の普及のなかで疑問視され、自然法に基づく外国人の「歓待」が主張されるようになったことを明らかにする。

  

平賀裕貴(ひらが・ひろたか)

立教大学大学院文学研究科博士後期課程修了。現在、立教大学文学部兼任講師。専門はアンリ・ベルクソン、神秘主義研究。著書に『アンリ・ベルクソンの神秘主義』(論創社、2022年)、共訳書にベルクソン『笑い』(ちくま学芸文庫、2019年)がある。

 

 「ベルクソンにおける神秘主義の射程」

2月に刊行した著書では、同時代の神秘主義研究の動向を下敷きにしつつ、ベルクソンの哲学と神秘主義とが交差していく過程を詳らかにした。『物質と記憶』(1896)や『創造的進化』(1907)で築き上げられた記憶論や生命論の到達点のさらにその先に、ベルクソンは神秘家の必要性を見据えている。そうした思考が、神秘家を論じた『道徳と宗教の二源泉』(1932)で結実することになる。いわば、記憶や進化に取り組むなかで遭遇した難問への応答を、彼は神秘主義のなかに見出していった。本発表では、ベルクソンが独自の神秘主義を創出するうえで使用したいくつかの概念を検討し、神秘主義との邂逅がベルクソンに何をもたらしたのかを検討する。

 

田中美里(たなか・みさと)

一橋大学大学院法学研究科博士後期課程修了(博士/法学)。現在、東京理科大学講師。専門は憲法学。主な論文に、「フランスにおける『公序』とマニフェスタシオンの自由」(一橋法学第18巻第1号、第2号、2018年)、「フランス憲法院判例における『公序(ordre public)』の概念」(一橋法学第18巻第3号、2019年)、「フランスにおける『公序』と自由をめぐる一考察」(一橋法学第19巻第2号、2020年)等がある。

 

「フランス公法における『公序』と諸個人の自由」
フランス公法において、「公序」の概念は、行政警察活動の限界などとの関係で行政裁判所判例の中で徐々に具体化された。そして、その基本的な部分は、今日の憲法院判例に引き継がれている。憲法院によれば、「公序」は諸個人の自由の保護と一体のものであり、そのような「公序」の定義は立法者の責務であるが、このような理解は、日本の判例における「公共の福祉」の理解とは大きく異なっている。本報告では、行政裁判所や憲法院の判決を主な題材に、「公序」という法概念と諸個人の自由との関わりについて検討する。

 

 

【参加方法】
・本セミナーはWeb会議システム「Zoom」のミーティング機能を使用して開催します。インターネット接続のあるパソコン、タブレット、スマートフォンからご参加いただけます。
・ミーティングのリンクは、開催前日7月22日(金)17時頃にPeatixのイベント視聴ページ(視聴ページへのアクセス方法はこちら)で公開するほか、Peatixのメッセージ機能でもお伝えいたします。7月22日(金)17時頃以降にお申し込みいただいた方は、イベント視聴ページに掲載されるリンクをご確認ください。
・開催当日は、13時50分頃からミーティングへご入室いただけます。


【注意事項】
・ミーティングのリンクを、他の方と共有したり、SNS等で拡散したりしないよう、お願いいたします。
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