講演会・トーク

フランスにはなぜ恋愛スキャンダルがないのか 2016版~政治家の恋愛スキャンダルとメディア 日仏比較~(日仏会館共催)

棚沢直子(東洋大学名誉教授)

“イベント詳細”

2016-03-15(火) 18:30 - 20:00
会場
501会議室
東京都渋谷区恵比寿3-9-25 渋谷区, 東京都 150-0013 Japan
501会議室
定員 40
参加費 会員および関係団体 無料、一般1.000円、学生 500円
参加登録 TMF日仏メディア交流協会事務局 Tel:03-5410-2654   Fax:03-3402-5452    info@tmf.cc
主催 TMF日仏メディア交流協会
共催 公益財団法人日仏会館

プログラム

18:30-20:00講演会
20:00-20:45懇親会

 

仏ミッテラン大統領の恋愛スキャンダルがエリゼ宮記者会見で取りざたされたのは1984年。Et Alors?  でピリオドが打たれたこの問題を、パリマッチが10年後の1994年に記事にした際には、ル・モンド、フィガロをはじめとするフランスの報道機関からパリマッチは批判の集中砲火を浴びた。「アングロサクソン型メディアを真似した、情報を流す自由の汚染であり、民主主義の危機論評した新聞もあった。
その後も、サルコジの伴侶セシリア夫人のアメリカ駆け落ち、オランドと女優ジュリー・ガイエなど大統領の恋愛スキャンダルをアメリカのメディアは大事件と報道しているが、お膝元のフランスメディアは一貫して、政治家の能力と私生活は別、というスタンスを取ってきた。
1994年に弾劾裁判にまで発展した、米クリントン大統領のホワイトハウスでの恋愛スキャンダルは、マスコミが大々的に取り上げ、最終的に大統領自身が「不適切」な関係と自ら発言している。
クリントン元大統領は辞任には追い込まれなかったが、日本では1989年、就任後間もなく発覚した女性スキャンダルで、在任期間69日で退陣した宇野宗佑元首相を筆頭に、女性問題で辞任する閣僚は少なくない。
日本のマスコミが、「公共性」を自称しながらも政治家の恋愛スキャンダルを詳細に掘り下げる根拠は? 視聴率獲得、売上部数の拡大のためだけか?
Et Alors から30年。現在のフランスの政治家の恋愛スキャンダル事情は?

 

棚沢直子(たなさわ・なおこ)
東洋大学名誉教授。フランス研究者。滞仏生活はのべ20年以上。編著書に「女たちのフランス思想」「フランスから見る日本ジェンダー史」編訳書にイリガライ「ひとつではない女の性」、クリステヴァ「女の時間」など。(角川ソフィア文庫著者紹介より)